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「PHPに重大な脆弱性」のニュース、まず深呼吸 ―あわてて閉じる前に確かめたい3つのこと

公開日 この記事は約9分で読めます

PHPの脆弱性ニュース、まず深呼吸。あわてて閉じる前に

「ニュースでPHPが危ないって言ってたけど、うちのホームページ、今すぐ閉じたほうがいいの?」――2026年10月21日の夜から、こんなお電話やメールをいくつもいただいています。

テレビやネットで「重大な欠陥」「サイトの一時停止も」という言葉を見れば、不安になるのは当然です。銀行やネットショップが一部のサービスを止めたというニュースもあり、「うちも何かしなきゃ」とあせる気持ちもよく分かります。

でも、ここはひと呼吸。今回の件は「放っておいていい話」ではありませんが、「あわてて何かを壊す話」でもありません。この記事では、ホームページの持ち主がどの順番で、何を確かめればいいかを、できるだけやさしくまとめます。まずは4コマ漫画でどうぞ。

4コマ漫画「PHPのニュース、まず深呼吸」。1コマ目:PHPの重大なニュースを見てサイトを閉じるべきか慌てるお客様に、工房スタッフが落ち着いて確認しようと案内。2コマ目:サーバー会社のお知らせとPHPのバージョンを確認し、修正対応済みと分かる。3コマ目:古いPHPは別の問題で、計画的な切り替えが必要と説明。4コマ目:確認・計画・修正の順で進め、閉じる前に相談してよかったと安心する。
4コマでわかる「PHPのニュース、まず深呼吸」(画像をタップ・クリックすると拡大します)

何が起きたの? ニュースをやさしく整理します

PHP(ピー・エイチ・ピー)は、ホームページを動かすためのプログラムの言葉です。WordPressもPHPで動いているので、WordPressで作ったホームページの多くが関係します。

PHPの開発チームは2026年10月20日に「重大な問題を直す更新を出します」と予告し、翌21日(日本時間の21日23時ごろ)に修正版を公開しました。見つかった問題は2件で、条件がそろうと、ログインしていない外部の人が、サーバーの上で勝手にプログラムを動かせてしまうおそれがある、というものです。

項目 内容
脆弱性の番号 CVE-2026-109618、CVE-2026-109619(通称「PHP2shell」)
深刻度 どちらもCVSS v4.0で9.2(10点満点の「緊急」クラス)
修正されたバージョン PHP 8.5.12/8.4.27/8.3.36/8.2.35
PHP 8.1以前 PHPの開発チームからの更新は終了。配布元やサーバー会社の対応を確認するか、新しいバージョンへの切り替えが必要

※PHP公式サイト(php.net)の2026年10月21日のお知らせをもとに、コムネットが要点を整理したものです。

日本でも、情報処理推進機構(IPA)が修正版の公開前から準備を呼びかけ、公開後には対策の実施を求める注意喚起を出しています。IPAは公開前の時点で、今回の脆弱性を悪用した攻撃は確認していないとしていました。

「あわてない」と「放っておく」はちがいます

今回いちばんお伝えしたいのは、ここです。深刻度が高いのは事実で、対策そのものは早いほうがいい。PHPの開発チームも、更新することだけが完全な対策だとはっきり書いています。

そのうえで「あわてない」とは、状況を確かめてから、正しい順番で動くということです。たとえるなら、地震のあとに家を飛び出す前に、まずガスの元栓と家族の無事を確かめるようなもの。ニュースの勢いのまま設定をいじったり、サイトを消したりすると、かえって困ったことになりかねません。

考えながら話す工房スタッフのイラスト
工房スタッフ

「閉鎖したほうがいいですか?」というご相談には、まず「どこのサーバーで、PHPはいくつですか?」とお聞きしています。答えによって、やることがまったくちがうんです。

まず確かめたい3つのこと

自分のホームページがどの状態にあるかで、やることが変わります。次の3つを、上から順に確かめてみてください。

確かめること 確かめ方
① どこのサーバーで動いているか 毎月・毎年の請求書やメールで、契約しているレンタルサーバーの会社名を確かめる。VPSや自社サーバーかどうかも見ておく
② サーバー会社が何と言っているか そのサーバー会社の公式サイトや「障害・メンテナンス情報」のページで、今回のPHPの件のお知らせを読む
③ PHPのバージョンはいくつか WordPressなら管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「サーバー」で確かめられる。サーバーの管理画面に表示されることも多い

①〜③が分からない、ログイン情報が見つからない、という方もご安心ください。それも大事な「現状が分かった」という一歩です。無料ホームページ診断で、一緒に確かめることもできます。

状況別・いまやること

3つを確かめたら、自分のサイトに近い行を見てください。

あなたのサイトの状況 いまやること
一般的なレンタルサーバー(共用サーバー)で、PHPが8.2〜8.5 PHPそのものの更新は、ふつうはサーバー会社が行います。お知らせで「対応完了」を確かめれば、まずはひと安心。管理画面が一時的に使えないのは、予防のための停止という場合もあります
レンタルサーバーだが、PHPが8.1以前 サーバー会社のお知らせで、古いバージョンへの対応を確かめる。あわせて、PHP 8.3以上への切り替えを計画的に進める(下の章を参照)
VPS・自社サーバー・制作会社が管理するサーバー PHPの更新は、サーバーを管理している人の仕事です。管理者や制作会社にすぐ連絡し、修正版への更新が済んだかを確かめる
誰が管理しているか分からない/制作会社と連絡がつかない まずは契約情報とログイン情報を探す。自分で判断がつかないときは、専門家に現状の確認を頼む

※上の表は、PHP公式サイトの情報と各社の公表内容をもとにした、コムネットによる説明のための目安です。実際の対応は、ご契約のサーバー会社の案内を優先してください。

たとえば、さくらインターネットは2026年10月22日、同社のコントロールパネルで選べるすべてのPHPバージョンについて対応を終えたと案内しています。このように、レンタルサーバーでは事業者が先回りして動いていることが多いのです。

なお、政府からは「対応が難しい場合は、サイトを一時停止することもリスクを下げる方法の一つ」という呼びかけもありました。これは、更新する手段がない・誰も管理していないといった場合の選択肢です。サーバー会社が対応済みのサイトまで、あわてて閉じる必要はありません。迷ったら、閉じる前に一度ご相談ください。

あわてて「やりがちなNG」

ニュースが大きくなると、よかれと思った行動が裏目に出ることがあります。次のようなことは、ひと呼吸おいてからにしましょう。

  • サイトやデータをいきなり削除する:あとで戻せなくなります。止めるにしても、まずバックアップを取ってから
  • 管理画面でPHPのバージョンをいきなり切り替える:古いテーマやプラグインが新しいPHPに対応しておらず、画面が真っ白になることがあります
  • 「緊急対応が必要です」というメールや電話に、すぐ答える:大きなニュースのあとは、それに便乗した連絡が届くこともあります。リンクを押す前に、契約先の公式サイトを自分で開いて確かめましょう
  • 「うちは小さいサイトだから」と何もしない:攻撃は自動のプログラムで広く行われるため、サイトの大きさは関係ありません
笑顔で話す工房スタッフのイラスト
工房スタッフ

WordPressの画面が真っ白になって「PHPの件でやられた!」とご連絡いただいたら、じつはバージョンを切り替えた直後だった……ということもあります。触る前にバックアップ、が合言葉です。

本当に気をつけたいのは「古いPHP」のまま動いているサイト

今回の件で見えてきたのは、PHPのバージョンが古いまま止まっているサイトの弱さです。PHP 8.1以前は、すでにPHPの開発チームからの更新が終わっています。今回のような問題が見つかっても、公式の修正版は出ません。

また、PHP 8.2も2026年12月31日でセキュリティ修正が終わる予定です。今回の更新で直ったとしても、年明け以降に同じような問題が見つかれば、直す手段がなくなります。8.2以前を使っている場合は、今回をきっかけに8.3以上への切り替えを計画しておくと安心です。

切り替えは、おおまかに次の順番で進めます。

  1. サイト全体(ファイルとデータベース)のバックアップを取る
  2. WordPress本体・テーマ・プラグインを新しくし、新しいPHPに対応しているか確かめる
  3. テスト環境や、表示の確認ができる状態で切り替えを試す
  4. 本番を切り替え、表示・お問い合わせフォーム・メールなどを一通り確かめる

ここで止まりがちなのが、何年も更新していないサイトです。テーマやプラグインが古すぎて、そのままでは新しいPHPで動かないこともあります。長く手を入れていないサイトの注意点は、ホームページを長い期間更新しないデメリットでもまとめています。

ニュースを「点検のきっかけ」に変えましょう

大きなニュースは、ふだん見ないホームページの裏側を見直すいい機会です。今回の件で、「サーバーがどこか分からなかった」「ログイン情報が見つからなかった」と気づいた方も多いのではないでしょうか。

それが分かっただけでも、次に何かあったときの動きはずっと速くなります。サーバーの契約先、ログイン情報、PHPのバージョン、最後に更新した日。この4つを一枚のメモにまとめておくだけで、立派な備えになります。

「直すべきところが多そうで、作り直したほうが早いのでは?」と感じた方は、ホームページは「作り直す」か「直す」か?も参考にしてください。多くの場合、今あるサイトを生かしたまま安全な状態に戻せます。気になる点があれば、無料ホームページ診断でお気軽にご相談ください。

ホームページ修理工房にできること

ホームページ修理工房では、ホームページを作り直さずに、気になるところだけを直すお手伝いをしています。今回の内容なら、たとえば次のような作業です。

  • サーバーの契約先・PHPのバージョン・管理状況の確認
  • サイト全体のバックアップの取得
  • WordPress本体・テーマ・プラグインの更新と、新しいPHPへの対応確認
  • PHPのバージョン切り替えと、切り替え後の表示・フォームの動作確認
  • 管理者が分からないサイトの、ログイン情報や契約情報の整理

今のサイトのホームページ修正のほか、ホームページの新規作成も承ります。全国オンラインで対応しています。

※本記事の内容は、2026年10月22日時点で下記の出典に記載された情報にもとづいています。脆弱性の状況やサーバー各社の対応は、今後変わる可能性があります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

出典

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